
「響け! ユーフォニアム2」の第4話。「サブタイ」からわかるように、1話から続いていた美少女でオーボエ担当の2年生「鎧塚 みぞれ」の話に一応の決着がついた回である。第2期前半の「神回」と言っていいだろう。この話はニコニコ動画等に動画で公開されたら、2、3回繰り返して見るとじわじわと良さがわかると思う。
いつものように独白部分が声として漏れ出てしまう「失言系ヒロイン」であり重要な場面になぜか出くわしてまう「巻き込まれ系ヒロイン」の久美子は、今回も「狂言回し」的に物語の重要部分に関わり進行していく。この久美子の脱力感のある自然な演技がいい。中の人の「黒沢ともよ」はまだ若干二十歳にして、子役時代からの経験も長く「ともよ様」というニックネームがついているほど。アニメの演技というより、映画の女優の演技の声を出している。
今回の話の主要な登場人物は2年生部員の4人。デカリボン先輩こと「吉川 優子」先輩。オーディションで落ちてサポートメンバーをしているポニテ先輩こと「中川 夏紀」先輩。1年生の時に当時の3年生と対立して退部したが部への復帰を望んでいる「傘木 希美」先輩。そして部でただ一人のオーボエ担当の美少女「鎧塚 みぞれ」先輩。この4人に久美子が関わっていく。
希美先輩がみぞれ先輩のオーボエの演奏に感情がこもっていないということを聞きつけて、久しぶりにみぞれ先輩に接触するも、みぞれ先輩は逃げ出してしまう。廊下で立ち尽くす夏紀先輩の前に優子先輩が出て来て二人が重なる演出が秀逸。追いかけようとする希美先輩の手を掴んで止める優子先輩。それに対して夏紀先輩が「希美が何をしたっていうのよ」。それに対して優子先輩が「何もしていない。だから怒っているの」どうやら、ボタンの掛け違いが原因のようである。
結局久美子がみぞれ先輩を理科室で発見するが、そこへ優子先輩が合流する。その後、壁ドンならぬ床ドンで優子の中の人「山岡ゆり」とみぞれの中の人「種﨑敦美」のロングの掛け合いの演技。希美先輩と、夏紀先輩も合流し、希美の中の人「東山奈央」とみぞれの中の人「種﨑敦美」のロング掛け合いの演技。どちらも実力派声優のかけ会いだけに、聞き応えがあった。「仲間はずれ」にされたと思っていた誤解が取れた後のみぞれ先輩の笑顔が眩しい。のぞみ先輩のオーボエの音色も変わったようだ。希美先輩はこれで復帰できるのかな。その後の優子先輩と夏紀先輩のデレた演技も微笑ましい。元々1期の時からこの二人は本当は仲がよかった。
出てくる吹奏楽部員が皆美少女なものだから、だんだんと美少女度に麻痺してきた。例えばヒロインの久美子などはこの美少女集団の中ではごくごく普通の容姿なのかもしれないと思ってしまう。その美少女集団の中でも今回の「鎧塚 みぞれ」は際立って美少女にキャラクターデザインがされていると思う。同じように「高坂 麗奈」も飛び抜けて美少女である。この二人は実は髪型が違うが顔はよく見ると似ている。他の女子に比べて子供のような顔をしている。
みぞれ先輩の件は一件落着となったが、久美子の家庭でも実姉の「麻美子」が父親と口論をしていて、何やら問題が起きていそう。次回が楽しみである。
出典:http://anime-eupho.com/story/04/
©武田綾乃・宝島社/『響け!』製作委員会