
「響け! ユーフォニアム2」の第5話。「サブタイ」は「きせきのハーモニー」全国大会出場を目指す関西大会である。いや今回は文句なく神回だわ、涙が出てきそうだった。あまりに密度が濃すぎて、まるで劇場版を見ているようだった。時間が長く感じたので終わった後で、もしかして今回だけ1時間拡大枠かと思って時計を見ると0:25分だった。この演出というか編集は神がかっている。演出は「三好一郎」という京アニの重鎮らしい。1秒の無駄カットもない。これは今期というより、近年稀に見る神回だったと思う。こんなアニメは日本しか作れないだろう。誇りに思う。さすがの京アニ、作画も背景も素晴らしい。なんていういつもの褒め言葉が陳腐に思えるほど、今回はそれは当たり前でそこからがすごかった。
前回の4話も神回だったと言ったが、確かに前回は2年生組の内面的な心情の発露とそれを演じた中の人の渾身の演技で神回だったが、今回の5話の神回は30分枠のコンテンツとして緻密で無駄がなく息つく暇を与えない神回である。
Aパートはテンポよく話が進む。豪華で芸達者な人気声優陣。ラストのキャスト表が4画面ある。滝先生(CV櫻井孝宏)の演技がいい。副部長のあすか先輩(CV寿美菜子)の演技がいい。部長の晴香先輩(CV早見沙織)の演技がいい。この辺りの声優陣はさすがというか、さすがである。はやみんの何気無い演技も泣けるほどいい。退部していた希美先輩(CV東山奈央)もステージ裏にいたのでサポートメンバーに復帰できたのかな、演奏はまだ客席から見ていたようだけど。相変わらず麗奈(CV安済知佳)のツンデレもキレが良い。コンクールに出場できなかった夏紀先輩や葉月らのチーム「モナカ」メンバーの描写も泣けるほどいい。Aパートのラストでは2年生組夏紀先輩と優子、希美とみぞれ先輩のそれぞれのカットが一瞬入る。
Bパートに入って12分。ここから北宇治高校の演奏がスタート。この後20分までの8分間、一切声優のセリフなしでカット編集だけで演奏が続く。通常8分間もセリフなしだと飽きてしまうが、1期から2期のこれまで、それぞれの登場人物の物語を丁寧に描いてきているので、カット編集だけでそのエピソードがフラッシュバックしてくる。麗奈のトランペットソロ、みぞれ先輩のオーボエソロ。そして演奏が終わりエンディング。
そしてCパートがあった。このCパートは1期「響け!ユーフォニアム」の冒頭のシーンと被る。北宇治は金、そして全国大会への出場が決まる。
何もかも計算し尽くされた25分間。ガヤの演技もよかった。鬼軍曹「松本 美知恵」副顧問が涙を見せていたのもグッとくる。そして最後は「鎧塚 みぞれ」(CV種﨑敦美)の笑顔が持って言ってしまった。Cパートがあったとはいえ、これだけの密度で25分にまとめる為には原作をかなり大胆にカットしないといけないはず。その割り切り方が素晴らしかったと思う。
第1期に続いて、この第2期「響け!ユーフォニアム2」もブルーレイを全巻予約することにした。今回を見てこの判断は間違いでなかったことを確信した。またこの11月2日にはエンディング曲の「ヴィヴァーチェ!」もリリース開始されて、早速iTunesでダウンロードしたが、これを作詞・作曲 -した「ZAQ」というアーティストはアニメと非常に親和性の高いある意味天才だと思っている。
次回が楽しみである。
※追記 ニコ生のWeb最速上映会のアンケートでは「とても良かった」が98%と稀に見る高評価でした。
出典:http://anime-eupho.com/story/05/
©武田綾乃・宝島社/『響け!』製作委員会