
「響け! ユーフォニアム2」の第8話。今回は久美子の姉の「黄前 麻美子」の回だった。中の人は「ぬーさん」こと「沼倉愛美」。この人を初めて認識したのは「蒼き鋼のアルペジオ -アルス・ノヴァ-」の「タカオ」役。典型的なツンデレキャラクターだった。その後多くの作品に声を当てる人気声優になっている。今年アーティストデビューもしているだけあって歌もうまい。この「麻美子」が大学3年で後1年で卒業というところで大学を辞めて美容師になりたいと言い出して久美子の家では大騒動になる。この辺りは、実際に大学生の息子と娘がいる自分にとっても身につまされる話である。長女ということで、親の期待を担って、好きな吹奏楽も途中で辞めて、親の意向を汲んで大学に進んだが自分にとっていちばんやりたかったのは、中学生の頃からなりたいと思っていた美容師だった。美容師になる為に今すぐにでも大学を辞めて美容師になるための道を進み直したいと言い出す。そのきっかけになったのが、久美子が吹奏楽で関西大会に進み、さらに全国大会に進んだことが引き金になったのかもしれない。当然姉と父親とは大げんかになり、そんなに大学を辞めて美容師になりたいならこの家を出て行け、生活費も専門学校の学費も自分でなんとかしろと父親はいい、母親はオロオロするが、まあ実際は無理なのできっと父親は少なくとも生活費か学費のどちらかは援助してやるのではないかと思う。
また大学受験のために吹奏楽部を辞めた幼馴染で3年生の「斎藤 葵」(CV日笠陽子)との会話があり、姉から久美子、葵から久美子への思いが、両方共、全国大会に進んだ久美子に対して、羨ましく思い、それに比べてやりたいことも我慢をしている自分を悔やんでいるように思える。ここを繰り返すことで、より印象深く演出している。久美子が高校1年で姉の麻美子が大学3年ということは、ストレートに進んだとしても5歳違いの姉妹。姉が中学1年当時は妹の久美子はまだ小学校2年だったわけで、小さい妹にしては憧れの姉であったことが伺える。姉が大学に進んでからは会話もなくなったという久美子と麻美子。麗奈が風邪気味の久美子の部屋に見舞いに来て、ユーフォのCDをかけているときに、麻美子が聞きたくないから止めてと言って来た時の姉妹の喧嘩は迫真の掛け合いだった。ここはさすが実力派「黒沢ともよ」である。今回、久美子はアニメの中では風邪気味の設定だったが「黒沢ともよ」はようやく風邪声が抜けたようだった。次回はいよいよ田中あすか先輩回かな。次回が楽しみである。
出典:http://anime-eupho.com/story/08/
©武田綾乃・宝島社/『響け!』製作委員会