
出典:http://anime-eupho.com/story/11/
©武田綾乃・宝島社/『響け!』製作委員会
「響け! ユーフォニアム2」の第11話。今話はサブタイの「はつこいトランペット」にあるように「高坂麗奈」(CV 安済知佳)の物語であった。前回メインキャラクターなのに、声の出番がなく声優としてのギャラが発生しなかった安済知佳は、2014年の「棺姫のチャイカ」のチャイカ・トラバント役が有名だが、2016年に入ってからは非常に多くの人気作品のメインキャラクターを演じている。今作の「高坂 麗奈」や「灰と幻想のグリムガル」の「メリイ」役など、美人で憂いのあるキャラクターが嵌まる声優である。
Aパートでは、久しぶりに「黄前久美子」(CV 黒沢ともよ)と「加藤葉月」(CV 朝井彩加)と「川島 緑輝」(CV 豊田萌絵)の3人が長く絡むシーンがあって懐かしかった。1期の「響け!ユーフォニアム」ではこの3人に「高坂 麗奈」を加えた4人が名実ともにメインキャラクターだったが、今回の第2期の「響け!ユーフォニアム2」では「加藤葉月」と「川島 緑輝」がいわばモブ化している。その代わりに他の吹奏楽部のメンバーがメインとなる回が多くなる。この二人のファンにはとっては寂しいだろうがこれにより群像劇に厚みと深みがでてきて、そこがさらに1期より面白くなっている原因の一つだと思う。2期前半では「鎧塚みぞれ」(CV 種﨑敦美)、「傘木希美」(CV 東山奈央)、「中川夏紀(CV 藤村鼓乃美)、「吉川優子」(CV 山岡ゆり)の南中出身の2年生がメインキャスト化していた。中盤は3年トリオの「田中あすか(CV 寿美菜子)、「小笠原晴香」(CV 早見沙織)、「中世古香織」(CV 茅原実里)と、久美子の実姉の「黄前麻美子(CV 沼倉愛美)にスポットが当たり、終盤でまだ伏線回収のできていない「高坂麗奈」の順番が来たという感じである。
麗奈がまだ小さい頃の「ロリ麗奈」のシーン。小さいころから美人であった。小学生低学年の麗奈と大学生くらいの滝先生というと小学2年の8歳と、大学2年の20歳というところで歳の差は一回りというところだろうか。それが現在の麗奈が高1で16歳に対して、滝が28歳ということであれば矛盾しない。麗奈が小さい頃は、裕福な家庭だったがコミュニケーションがうまく取れず友達がいないような描写だった。小学校低学年当時で一回りも上の大学生の滝に恋愛の感情をいだくということは考えにくいので、家族付き合いのあるお兄さんとしての繋がりがあって、その後で中学生くらいの麗奈も出てきたがこの頃はっきりと「初恋」に思いが変わったということであろう。
「麗奈」と「久美子」が1期でも登った「大吉山」に登り、麗奈が「あーっ」っと叫んだ後の、山の上から見える宇治の町の風景を望遠レンズで撮ったようなカットは映画のシーンのようでよかった。
今回も気持ちが不安定のせいで演奏に力が入らない麗奈をはげます「吉川優子」先輩(CV 山岡ゆり)がいい。ほんと優子先輩は1期とは違っていろいろな人に係わっていい方向にまとめている。ヒロインの久美子はもちろんそういう役割だが、優子先輩と、夏希先輩も、第二のヒロインのように物語で重要な役割を演じている。
滝先生の奥さんはよく笑う明るい女性だったということで麗奈とは真逆のタイプの女性だったようであるが、果たして麗奈の恋は実るのか。それとまだ伏線が残ったままになっている「塚本秀一」(CV 石谷春貴)の久美子への想いはどうなるのか。次回は最終回、いよいよ全国大会。楽しみである。